#040 ハーモニー

ハーモニー <harmony/> の考察


 伊藤計劃 著  早川文庫JA 2008発行
2015にPROJECT ITOHとしてノイタミナでアニメ映画化されている。
(まだ見てないよ…地上波放送はンガイの森で見れなっかたんだよ…)


古典SF好きにはライトノベルっぽいし、
ライトノベルしか読まない方には難解すぎる、ビミョーな作品。
厨二オッケーでSF大好きな方は是非どうぞ。

にゃるさん的にはJK真っ最中に出会い、深く感動した小説なんですが…

レビュー読んだりすると
「名前がキァンだとかミィハな時点で生理的にムリ」
「ストーリー場面飛びすぎて意味不明」
「どこがSFなのかわからん」
「やたらと厨二なルビで萎えた」
等々…

哲学っぽい厨二なお話がお好きでしたら、お付き合いください。
ダメならそっとタブを閉じてください ヽ(*゚д゚)ノ



  1. 自由、フリーダムとリバティの違い
  2. 自由意志 とは
  3. おもいやり とは
  4. メタルギアの要素


1)自由の定義

邪神的にこう解釈している。

フリーダム:好き勝手に動ける状態、制御/統制されていない状態
>組織に属さないような自由

リバティ:拘束から解放され、自由を獲得する
>統制支配/敵を打ち倒して得るような自由

保守の反対がリベラル。法律や規則の中で解放、自由を勝ち獲るという意味で、
全くの無秩序ではない。統制からの解放がリバティ。




2)自由意志とは。

思考とは別の「選択する意志」だと邪神は思う。
おフランス語で自由意志はLibre arbite

小説262p05,06章からざっくりまとめると

”全ての選択に葛藤がなく自明である状態”

”人間が正しい(合理的な価値観の)プログラム通りに行動するとき
決断に意志は必要ない”

”表面上は普通に生活し、会話する。意識がなくとも人間の生活に支障はない”

”(ワタシという個人の)意識を失っていた間の世界は、
ただぼんやりとしていて恍惚だけを経験した”

理性と欲望のバランスが常に喧嘩している状態こそが人間の人間たる心なのではないだろうか。



3)作中のおもいやりとは

”真綿で締め殺すような、優しさで息がつまる”とトァンは語っている。

個人は社会的リソース資源であるから、現代のようなイジメや自傷行為は許さない_むしろ病院でカウンセリングされてしまうような潔癖な社会。

優しさに対価を求めず、奉仕や慈愛こそ社会規範とされる社会は見かけ上、とても綺麗なものだろう。
ただその思いやりは義務であり、本人の意志とは別ものなのかもしれない。


4)伊藤計劃が愛したメタルギアにも

ハーモニーで語られる(虐殺器官のクラヴィスが引き起こした)
大災禍メイルストロムの火種になりうる要素がいくつかある。気がする。

>メタルギア(二足歩行兵器)
核弾頭を搭載する兵器(使われないようにオタコンとスネークは戦う)

>FOXDIE
シャドーモセス島でナオミがスネークに投与した、
特定の遺伝子を持つ人間のみ殺害するための人工ウィルス。
特定ターゲットのみのプログラムだったがスネークの老化により無差別生物兵器に変異。した思われたが、新型が駆逐したことでバイオテロの心配はなくなった。

>ナノマシン
メタルギアではPMC兵士の健康管理、PTSDの緩和、情報統制、武器認証にナノマシンが関わっている。
最終章のGW破壊後にはナノマシンから解放されたPMCの兵士が苦しむ描写があり、
ナノマシンの情報統制から解放されて真の自由を得た、というエンディングになっている。

もしメタルギアやFOXDIEが使われ混乱した世界線を描いたらどんなものになるか?
もしナノマシンが全人類に普及していたらどう管理できてしまうのか?
そんな風に思ってハーモニーという小説が生まれたのかもしれない。

全く別の作品であっても、ハーモニーにメタルギアのミームを埋め込んであるのが
伊藤計劃の遊び心、隠し味なのではないだろうか。



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